カサブランカ


カサブランカが、自宅で咲きました。



カサブランカは百合の一種で、私自身は百合というと清楚なイメージを持っていたのですが、この花は、とてもゴージャス。
上記の写真は、撮影者の腕が悪くて(T-T)、あまり華やかな感じがしないのが、ちょっと残念ですけど。

名前とこの華やかな雰囲気から、カサブランカは外国の花だと思っていました。
しかし、ネットで調べたところ、なんとカサブランカの原産国は日本!

ちょっと驚きです。
カサブランカ」とはスペイン語で、「白い家」という意味です。
そして、モロッコの都市にも「カサブランカ」ってありますよね。
ということは、この「カサブランカ」というのは、スペインやモロッコカサブランカという土地に由来のある花かと思っていたのですが。


しかも、もうちょっと調べてみるとこの花は、「オリエンタル・ハイブリット」の一種だそうです。
「オリエンタル・ハイブリット」というのは、日本のヤマユリカノコユリ等をかけ合わせた百合のことを言うそうです。

ここでもちょっと引っかかりを覚えてしまいました。
確かに、「オリエンタル」と言うと「東洋の」という意味がありますが、日本ではどちらかというと、「中東」を指すことがほとんどではないでしょうか。
オリエント文明とか。Wikipediaでも、

広義の「オリエント」は東洋と訳されることもあるが、オリエントを西アジア・エジプトを指す狭い語としてのみ使うことが日本語圏内においては一般的であるため、日本語の文脈においてしばしば東アジアを限定して指す傾向のある東洋とオリエントの概念は厳密には一致しないという意見もある。この日本的な意味でのカタカナ語、オリエントは、中東という語とほとんど互換可能な地域概念として用いられていると見なせるが、しばしば日本語においてイスラム教・イスラーム文明のイメージに結びついた中東に対して、イスラム以前の古代オリエント文明のイメージと結びつき、古代を限定して指したり、ヨーロッパや近現代中東への古代文明の連続性を強調する文脈で用いられたりと、微妙な使い分けが行われる


日本人であれば、きっと「オリエンタル・ハイブリット」なんて命名はしないだろうなぁ?と思い、さらにネットで検索したところ、

 ユリの交雑種は、イギリス王立園芸協会(RHS)の分類基準に従って、交雑親から9グループに分けられています。

とのこと。成る程ねっ。
どれほどの権威があるのかはわかりませんが、わざわざ「イギリス王立園芸協会」で分類されるほどだから、百合ってヨーロッパではたくさんの種類があるのでしょうね。


そして、もう一度「カサブランカ」について調べたところ、

カサブランカ は、オリエンタル・ハイブリット と呼ばれるユリの一種です。
日本原産のヤマユリなどを、幕末にオランダに輸出して、ヨーロッパで品種改良されました。

ということだそうです。

どうりで、名前もその雰囲気も「日本」っぽくないはずです。
ヨーロッパではきっと世界各国で咲く百合を用いて品種改良をすることが盛んだったのでしょうね(もしかしたら、今も盛んなのでしょうか)。

だから、原産国は日本なのに「カサブランカ」という外国名がついたのでしょう。
ただ、オランダで改良した花なのに、スペイン語名がつくというのはちょっと謎ですが。
オランダで改良したのに、何故スペイン語の「カサブランカ」と命名されたのかを調べると、また何か面白い由来があるかもしれません。


あと、カサブランカに関連する記事として、

純白の悲劇〜タモトユリ悲話

がとても興味深かったです。
やはり、戦後、欧米では園芸品種の改良ブームに沸いていたようで、その頃に品種改良され、カサブランカという花が誕生したようです。